中央アルプス南部 南木曽岳(1679m) 2016年5月29日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 4:12 駐車場−−4:15 ゲート−−4:32 林道から分かれて登山道に入る−−4:46 分岐−−5:49 三角点−−5:50 最高点 5:53−−5:54 三角点−−6:34 林道−−6:44 ゲート−−6:47 駐車場

場所長野県木曽郡南木曽町
年月日2016年5月29日 日帰り
天候快晴
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場避難小屋前及びその手前に駐車場あり
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望三角点は展望なしだが最高点は北側が開ける
GPSトラックログ
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コメント南側の額付川沿いの林道から往復。避難小屋で林道はゲートが閉じられていて歩き始める。300名山だけあり快適シーズンは登山者が多く登山道も良好。三角点は最高点ではなく下山道を北東に進んだ巨岩上が最高点。北側の展望が開け、木曾御嶽〜乗鞍〜穂高岳が見える。自然のコウヤマキ林があったが園芸用の小さなものしか知らなかった私にとって大木になった姿は驚きだった




駐車場を出発。避難小屋前にも駐車場あり 避難小屋前のゲート
ゲート右に林道ショートカット道あり ここで林道を離れて登山道に入る
登山道/下山道分岐 金時の洞窟。ここから下流で水が出ている
喉の滝。ここから金時の洞窟まで伏流 喉の滝の解説板
案内図 高野槇林。大木に育つとは知らなかった
石楠花が盛りだった 巨岩は桟橋で巻く
桟橋から見た南東方向 桟橋から見た恵那山
笹の中に切り開かれた登山道が続く 金時池分岐。笹に埋もれて道無し
もうすぐ三角点峰 三角点峰。最高点ではない
東の下山道へ向かう ここが南木曽岳最高点南側の祠
この展望個所が最高点 南木曽岳最高点の岩の上
岩からの西〜北の展望
岩から見た木曾御嶽 岩から見た乗鞍岳
岩から見た穂高連峰 イワカガミが咲いていた
檜の葉の表側。先端が丸い 檜の葉の裏側。白い部分がY型
サワラの葉の表側。先が尖っている サワラの葉の裏側。白い部分がX型
ゲート到着 駐車場到着


 南木曽岳は南木曽町にあり、大平峠以北の中アとしては南限に近い位置にある。300名山なので道は良好だし登山者が多い山だろう。ここが未踏なのは簡単に登れるからであったが木曽谷の未踏峰では最も南=最も遠い山となり、この地方に出かけるなら逆に優先して登るべき山となっていた。登山道は南側の額付川沿いの林道がメインらしい。

 国道19号線から国道256号線に入り東進すると林道へつつながる道に南木曽岳の案内看板が登場する。さすが300名山。キャンプ場を過ぎて狭い舗装された林道を上がっていくと駐車場の案内が登場。先客の車が1台止まっていた。

 この日は木曽見台にも登る計画で気温が低い早朝のうちに片づけたいこともありまだ暗い時刻にライトを点けて出発。林道を少し歩くと右側にしっかりした建物が登場、避難小屋だ。小屋の前にも駐車場があり、ここまで車で来られたのだった。まあ、数分の歩きなので大した損失ではない。避難小屋で林道にはゲートがかかっていた。地形図を見るとここからしばらく林道歩きだが、ゲート右側に林道をショートカットする登山道が付けられていたのでそれに入る。

 登山道はしっかりしていて体に触れる籔は皆無。周囲は深い樹林で檜、サワラ、アスナロなど檜の仲間が多い。檜の仲間は幹も葉っぱも似通っていて見分けるのは難しい。国内では檜の仲間は上記3種にネズコが加わって4種となる。特に檜とサワラは非常に似ていて素人が見分けるのはほぼ不可能だ。しかし簡単に見分ける方法がある。葉っぱの裏側を見るのだ。裏側には白い模様が入っていて檜はY字型、サワラはX字型である。葉の表裏どちらでもそうだが、葉の先端をよ〜く見ると檜は丸いがサワラは尖っている。ただしこれは両者を見比べないと分からないくらいの差でしかないので、やはり葉の裏を見るのが確実だ。アスナロとネズコは葉っぱの厚さが檜と比べて分厚いので檜との区別は簡単だが、アスナロとネズコの見分けはこれまた難しい。しかしこれも葉の裏で簡単に区別が可能で、白い模様があるのがアスナロで白いのがないのはネズコだ。長野北部の藪山で見たのは全てネズコだったが、この登山道で見たのは全てアスナロだった。

 樹林の登山道から林道に出るとライト不要な明るさになっていた。ダートだが花崗岩が風化した白砂に覆われて登山者の新しい足跡が残っている。土曜日の昨日に多くの登山者が登ったらしい。

 林道が大きく右カーブするところで谷方向に登山道が分岐する。ここが地形図上で破線が登山道から分かれる場所だろう。相変わらず明瞭な道で言うことなし。最初は左岸側に道が続くが立派な橋で右岸側へ道が移る。橋のすぐ上流に赤ペイントされた岩があったので、少し前までは渡渉したようだ。ただし沢の水量は少なく簡単に渡渉できる状況だった。河原は花崗岩で埋め尽くされているが多数の流木が見られることから、大雨で土石流が発生してから橋が作られたように思えた。

 右岸側に移ってからは水が枯れた谷に沿って登っていく。谷の中を進むところもあれば右岸左岸を迂回するところもある。「金時の洞窟」で一時的に水が顔を出すがすぐに伏流化してしまう。その先に「喉の滝」があるが登山道から滝の様子は見えなかった。この滝の下流側もすぐ伏流化だ。滝を境にして登山道は沢を離れて左側斜面をトラバースしつつ高度を上げていく。周囲には笹が見られるようになるが登山道の刈り払いは完璧だ。

 1330mで尾根に乗るとほぼ尾根直上を登っていく。かなりの傾斜だが道は相変わらず良好。1340m付近では「高野槇林」の看板が登場。高野槇と言えば庭木でよく見かけるが、ここに生えているものは庭木とは大違いの高さ2,30mはあろうかという大木だ。高野槇がこんなにでかくなるとは知らなかった。見た目は杉や檜と同じでまっすぐ延びて上部で枝分かれしているので、葉がかなり高い位置にあるため葉の形状はほとんど見えない。よって普通に登山道を歩いていると高野槇とは気付かないだろう。石楠花が花盛りで彩りを添えてた。

 1430m付近では尾根上に露岩が現れワイヤーロープが一直線に張られているが、登山道は岩の右側に設置された桟橋に移る。まさに「空中回廊」で今まで樹林で閉ざされていた視界が一気に開け、南側には鍋底のような恵那山が目立つ。左側には南ア深南部の中ノ尾根山から南側の山々が見えていたが池口岳が見えないと特徴に乏しく、同定は帰宅してから「写真判定」に頼らざるを得なかった。

 高度が上がると高野槇から檜やサワラに切り替わる。中アらしく周囲は笹に覆われるが登山道はしっかり刈り払われている。それまで東側の尾根が遮っていた太陽が顔を出すと眩しいくらいだ。今日は暑くなりそうで、早々に片付けて次の山に向かった方が良さそうだ。

 尾根を登りきって右に進路を変えると「金時池」の案内樺が登場し北を指していたがそこは笹の海で踏跡も見られない。たぶん池も笹に飲み込まれて消滅しているような。

 ここまで来れば山頂は目前だ。最後の登りが終わると三角点峰に到着。一般的にはここを南木曽岳山頂としているようだが地形図上の最高点=山頂はここより東にある。そちらの登山道は「下山道」と表現されている。この道を辿ると標高??m地点の分岐で合流するわけで、周回ルートにちょうどいいのだ。ただし、地形図上の道の付き方を見ると1670m峰、1675m峰を登り返す必要があり無駄な体力を使うことになる。南木曽岳だけ登るのなら周回ルートの方が楽しめると思うが、私はこの後も登る予定で無駄な体力を使いたくないため、面白みに欠けるが往路を戻る予定だ。

 「下山道」を進むと僅かに下り僅かに登って巨岩のあるピークへ。ここが最高点だ。本当に一番高い場所は北側の岩の上のようで、そこは展望台と書かれていた。そのとおりで北側の樹林が開けて大展望。木曽御嶽、乗鞍岳、そして穂高も見えていたが、どこも今年は残雪は少ない。

 復路は往路を戻った。標識からすると「逆走」になるが、南木曽岳の下山は下山道を必ず歩く規制があるわけではないだろう。さすが300名山ですれ違う人も多いが、まさかこの時刻に下ってくる人がいるとは思っていないだろう。でも涼しい時間帯に行動できたのでほとんど汗もかかずに快適だった。

 帰りは林道から「近道」の歩道分岐を見落としてしまい林道を歩いたが、それほど大きなロスとは感じなかった。ゲートに出て避難小屋前の駐車場には何台も車が止まっていた。私が車を置いた駐車場にも数台の車ありで、最近登った山の中では一番登山者が多かったと思う。

 

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